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使命と魂のリミット [東野圭吾]


使命と魂のリミット

使命と魂のリミット

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2006/12/06
  • メディア: 単行本


主人公氷室有紀は研修医。子供の頃愛する父を失った。
心臓の手術に失敗したのだ。難しい手術だったのだが
その手術に疑問を持っていた。
本当にあれは単なる術死だったのか、それとも医者の
ミスなのか、はたまたもっと積極的な理由によるもの
つまり仕組まれた殺人ではなかったのか。
そして有紀は医者を目指し、父を術死させた医者、西園の
いる病院で研修医として働いている。
そこで、あの時の術死の真相に迫ろうとしていた。
そんな時に、自動車会社の社長がやはり心臓の病で入院。
手術という事になり、有紀も立ち会うという運びに
なり、いよいよ長年の疑惑をこの目で確かめられる機会を
得たのだが、この社長の命を狙う一人の男がいた。
愛する者の命が、間接的にこの社長によって奪われてしまって
いたのだ。そしてこの男が社長の命を奪う舞台に選んだのが
入院先の病院だった。
そして男が選んだ殺害の方法は意外なものであった。

物語は二つの軸が同時進行です。
主人公の父親の術死の真相を探る点と、入院患者の命を奪おう
とする点の二つ。
途中から父親の術死を疑う理由が一つ増えるのだが、その理由は
よくありがちなパターン。
いったいどんな解決を見るのかなと思っていたが、予想通りと
いうか、これまたそこに辿りつくまでにおおよその流れがつかめて
しまいました。
やっぱりなという展開で、大きなサプライズは期待薄です。
また男が社長の命を狙う理由は、目新しい視点でのものではなくて
オーソドックスな感じ。それはそれでいいのですが、男の立てる
策がなんとも成功率の低いと思われるもので、こちらが何だか
興醒めというか、逆の意味でサプライズでした。
ただ、そうした不安定な要素を多く含んでいることによって、そこに
関わる者達の心理も揺れ動き、人物を描くという点においては功を
奏しているという気もします。
又、策が不安定なところへもって来て、この男が割りと情に動かされ
る部分があり、結局そこを突かれて、最後のとどめを刺せない辺りが
ちょっと惜しいです。難攻不落と思える策を意外な発想と行動力で
切り抜けるという展開を期待したかったが、今回はそうした展開に
ならずに、個人的には不完全燃焼という印象です。
結局、有紀の疑惑は晴れるんですけど、疑惑が晴れる過程が逆に
有紀を使命をもった医者に向かわせる展開へと流れていき、物語の
テーマとしては目的地に着陸させたかなという印象です。
そして、社長の命を狙った男も、利用した女に情に訴える説得をされ
結局は、情に脆い良いヤツで終わってしまいます。
物語としては、全ての要素に関して中途半端な印象が残りました。
結果は同じであっても、もう少し行き着くところまで行っての結果で
あったほうが、ラストが救いになったような気がしますけど、あの
展開だと盛り上がりに欠けたかなという印象が残りました。


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