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メリーゴーランド [荻原浩]

 

主人公、啓一は市役所に勤める公務員。
以前は民間の電機メーカーに勤めていたのだが
過酷な労働状況に疑問を感じて数年前に
Uターンをし、役所勤めに転身していた。
役所勤めは暇を持て余し、民間とは真逆の理屈が
当たり前のように蔓延る様を肌で感じていた。
そんな彼はある日、赤字続きの倒れかけのテーマパーク
の再建を任される。
このテーマパークの再建に際していろんなキャラが
登場するのだが、このキャラがとても愉快で良い。
主人公を中心として話は始まるのだが、なんだか
主人公はステージの上のMCのようで、周りの登場人物
たちによって、話が展開していくような印象を抱くほど。
再建の道は険しく、役所の中での様々な障害、妨害工作
にあい、決して愉快な話ではないのだが、気分は意外にも
沈んでいかない。
哀しくもある話の展開にも、脇を固める個性的なキャラが
それを和らげて、笑いさえも届けてくれる。
 主人公啓一のテーマパーク再建の道は険しく厳しくも
あるが、日頃の自分とついつい比べてしまい、うらやましく
も感じたりしてしまう。
一見、八方塞のような状況でもそれを打開出来る、人脈が
用意されていて、気がつけば事が上手く運んでいたりする。
また、啓一は役所務めで、その世界はまるで不思議の国のアリス
並なのだが、自分を取り巻く環境もそれと大差ない事を
思うとなんだか、気分が沈みがちにもなってしまう。
さすがに現実は、物語のように上手くはいかないようで。
物語全体として、主人公は不幸というか、不運の連続だったり
するのだが、読者には重苦しさを感じさせないどころか
読後には爽やかささえも残してくれるあたりは、作家さんの
力量なのだろう。読みやすさも手伝って楽しくよめる作品。
著者の過去の作品の中で、「神様からの一言」があるがタイプと
してはこれに似ており、すでに読まれた方には雰囲気が伝わる
のではないでしょうか。
啓一の苦労と奮闘は明日の自分のものかもしれない。

 


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