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龍時02-03 [野沢尚]


龍時 02-03

龍時 02-03

  • 作者: 野沢 尚
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2003/09/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


02-03で龍時は新たなチームへとレンタル移籍を
果たし、自らの持ち味を生かしたスーパーサブと
して物語の中のピッチで活躍する。
ピッチの上を熱く駆ける龍時はもちろんのだが
02-03ではピッチを離れた一人の青年としての龍時も
描かれている。
恋人マリアと時間を共有したり、他のクラブで韓国の選手との交流
したりと。
サッカー自体の熱くて、緊迫感が喉元にせりあがってくる描写に
対して、ピッチを離れたときの描写のバランスがとっても良いなと
感じさせてくれます。
これがある事で龍二自身に、ひとりの青年としての像に肉付けが出来て
きて、ピッチの上での息遣いがより一層実感を伴って感じられます。

夜の淵から転げ落ちてしまいそうなマリアを救いだそう
とする龍時。
そしてそれに応えようとするマリアとの若い恋愛が胸の
中をくすぐってきます。
フラメンコのような情熱的な熱と、日本的な叙情が交じり合って
二人がすれ違いを重ね、バランスを崩してしまいそうな印象を与え
ながらも二人の気持ちが離れず、絡んでいくのが心地良いです。

又、リーグ戦を終えて日本に親善試合に来た時に、家族と接するのだが
ピッチの上での格闘を癒してくれる温かさがまた良いですね。
孤高に異国の地で戦いを続ける中で自らを律するストイックな日々に
注がれる一瞬の情がまた心地良いです。ほっとします。

01-02からひとつ階段を登り、トップチームで存在感を定着させ人としても
ひとつ階段を上がった感じ。しかしピッチで走り回る内なる龍は健在。
熱く猛々しいまでのプレーへの情熱は鳴りを潜めるどころか更なる熱を帯び
それに加えて冷静に試合の流れ、人の配置を俯瞰出来る知的さも兼ね備え
より魅力的となったプレーは読者を裏切りません。
あくまでも、物語の軸はアグレッシブはサッカーの描写であって、本格サッカー
小説という名がふさわしい作品だと思います。
又、ところどころに散りばめられた歴史や背景がより一層リアリティを高めて
物語を引き締めてもいます。
それにしても、冒頭にあった専門の雑誌の記事を彷彿させる内容には少し驚き
ました。ここまで本格的に書けるんだなと。
野沢さんの物書きとしても幅の広さを改めて見せられた感じです。

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コメント 4

Sho

ジャンルとして、一人の人間がある世界で上りあがっていく物語はすごく好きです。
どの分野においても、「ストイック」であることというのは、一流になるために必要な気がします。
「孤独」(決して否定的な意味合いではなく)、「孤高」というものにも、とても興味があります。
スポーツをよくしらなくとも、楽しめそうですね。
by Sho (2008-06-11 06:46) 

joker

Shoさん。

そうですね、一流の選手達はだいたいストイックな人が
多いですよね。
この作品、サッカーが軸となった小説ですけど、それ以外にも
人としての主人公の成長を見つめる楽しみがあります。
私もサッカーはそれほど詳しくないんです。
でも、読み始めると止まらなくなりましたよ。

by joker (2008-06-12 01:34) 

joker

野沢様。

niceありがとうございます。

by joker (2008-06-17 22:40) 

joker

yukoさん。

niceありがとうございます。

by joker (2008-06-29 21:40) 

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